アンパンマン初期絵本の原点は1973年!初版の違いと復刻6巻を徹底解説
アンパンマンの初期絵本は、いつ誕生し、現在のアンパンマンとどのように違っていたのでしょうか。原点となったのは、やなせたかしが手がけた1973年10月号の月刊絵本「キンダーおはなしえほん」に掲載された『あんぱんまん』です。ただし、キャラクターの原型までさかのぼると、1969年の童話「アンパンマン」に行き着きます。さらに、市販絵本として最初に刊行されたのは1975年の『それいけ!アンパンマン』で、初期の『あんぱんまん』が一般向けに刊行されたのは1976年5月でした。 (あわせて読みたい:【1】『月曜日のユカ』のあらすじ|18歳のユカが求めた特別な幸福とは?)
2023年4月には、絵本誕生50周年を記念して、フレーベル館から『やなせたかしのあんぱんまん1973(全6巻)』が刊行されました。初代アンパンマンの人間らしい姿、現在とは異なるデザイン、顔を分け与える物語の意味など、初期作品にはテレビアニメとは違った魅力があります。2026年現在、初期絵本を読みたい人に向けて、誕生の歴史から初版情報、復刻版の内容まで整理します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 誕生の原点:1969年に『PHP』で童話「アンパンマン」が登場し、1973年10月に初の子ども向け絵本『あんぱんまん』が掲載された。
- 市販化の歴史:1975年11月に『それいけ!アンパンマン』、1976年5月に1973年版『あんぱんまん』が市販絵本として刊行された。
- 復刻版:2023年4月に初期作品を収録した全6巻セットが登場。初期デザインやテレビアニメ以前の物語をまとめて楽しめる。
【まず結論】アンパンマンの初期絵本は1973年の『あんぱんまん』
アンパンマンの初期絵本を探しているなら、最初に注目したい作品は、1973年10月号の「キンダーおはなしえほん」に掲載された『あんぱんまん』です。
発行元はフレーベル館。作者は、漫画家・絵本作家として活躍したやなせたかしです。現在のようにテレビアニメやキャラクター商品が広く知られる以前、幼稚園や保育所で子どもたちに読まれる月刊絵本として誕生しました。
なぜタイトルが「あんぱんまん」なのか
初期作品のタイトルが、現在一般的なカタカナの「アンパンマン」ではなく、ひらがなの『あんぱんまん』になっていることも特徴です。
フレーベル館の公式解説によると、幼児向けの絵本だったことから、タイトルはひらがなで表記されました。現在のキャラクター名との違いは、作品が生まれた当時の読者層を反映したものです。
当時の『あんぱんまん』は、幼稚園や保育所を通じて子どもたちに届けられました。フレーベル館は、繰り返し読まれてぼろぼろになった本が多くの園にあったことも紹介しています。子どもたちの間で人気が広がり、その後の市販化につながりました。
つまり、アンパンマンは最初からテレビ番組のために作られたキャラクターではありません。絵本を通して子どもたちに受け入れられ、長い時間をかけて世界を広げていった存在なのです。

【誕生から市販化まで】1969年から1976年の歴史を時系列で整理
アンパンマンの誕生を調べる際に混乱しやすいのが、1969年、1973年、1975年、1976年という4つの年代です。それぞれ意味が異なります。
特に、1973年が最初の絵本の登場年である一方、最初の市販絵本は1975年に刊行されている点が重要です。フレーベル館の公式沿革と国立国会図書館の書誌情報を照らし合わせると、次のように整理できます。
| 年代 | 出来事・作品 | 歴史的な意味 |
|---|---|---|
| 1969年 | 雑誌『PHP』で童話「アンパンマン」が登場 | キャラクターの原型が誕生 |
| 1970年 | 単行本『十二の真珠』刊行 | 「アンパンマン」を収録した初期童話集 |
| 1973年10月 | 『あんぱんまん』が月刊「キンダーおはなしえほん」に掲載 | 子ども向け絵本としての出発点 |
| 1975年11月 | 『それいけ!アンパンマン』刊行 | 最初の市販アンパンマン絵本 |
| 1976年5月 | 『あんぱんまん』市販化 | 1973年の月刊絵本作品が一般向けに刊行 |
| 1978年 | 『あんぱんまんとごりらまん』刊行 | 初期の物語世界が拡大 |
| 1979年 | 『あんぱんまんとばいきんまん』刊行 | ばいきんまんとの関係が絵本に登場 |
| 1987年 | 『アンパンマンとムシバラス』『アンパンマンともえるほし』 | 初期シリーズの作品群へと広がる |
| 2023年4月 | 『やなせたかしのあんぱんまん1973(全6巻)』刊行 | 絵本誕生50周年記念の新装版セット |
出典はフレーベル館の公式沿革、香美市立やなせたかし記念館、国立国会図書館、福井県教育博物館の展示資料などです。1975年11月の初版年月は版元ドットコムの書誌情報によります。
1969年の『十二の真珠』がアンパンマンの原型
アンパンマンの歴史は、1973年よりさらに4年前にさかのぼります。
香美市立やなせたかし記念館の年譜によると、やなせたかしは1969年、雑誌『PHP』で短編童話を1年間連載し、その10月号に「アンパンマン」が登場しました。
この連作は、のちに『十二の真珠』という単行本にまとめられ、1970年に山梨シルクセンター出版部から刊行されています。つまり、1969年は雑誌連載での登場、1970年は単行本としての刊行という違いがあります。
この時代のアンパンマンは、現在のようなパンの顔を持つキャラクターとは異なり、人間に近い姿でした。丸い顔とおなかを持ち、頭には髪の毛も描かれています。現在のアンパンマンを知る人が見ると、かなり印象の異なる初代の姿です。
1973年10月に子ども向け絵本として登場
1969年の童話から発展し、1973年10月、フレーベル館の月刊「キンダーおはなしえほん」に『あんぱんまん』が掲載されました。
これが、子ども向けに描かれた最初のアンパンマン絵本です。国立国会図書館の資料でも、1976年5月刊行の市販版は32ページの作品として登録されています。
1975年と1976年の市販化は何が違う?
1975年11月には『それいけ!アンパンマン』が刊行されました。フレーベル館の公式沿革でも、これが最初の市販アンパンマン絵本とされています。
一方、1976年5月には、1973年10月号に掲載された最初の子ども向け作品『あんぱんまん』が市販化されました。
この2冊は同じ作品ではありません。1975年の『それいけ!アンパンマン』が先に一般向けの絵本として登場し、1976年に原点となる『あんぱんまん』が続いたという順番です。
「アンパンマンの初版は1973年なのか、1975年なのか」という疑問に対しては、何を基準にするかで答えが変わります。最初の子ども向け絵本なら1973年、最初の市販絵本なら1975年、原点の『あんぱんまん』の市販版なら1976年です。
【初代アンパンマンの姿】初期デザインと現在の違いを比較
初期のアンパンマンを知るうえで興味深いのが、時代によって変化してきたキャラクターデザインです。
現在のアンパンマンは、丸いパンの顔に赤い鼻と頬、親しみやすい表情を持つヒーローとして定着しています。しかし、最初から現在と同じ姿だったわけではありません。
1969年の初代は人間に近い姿だった
1969年の童話に登場したアンパンマンは、パンそのものを顔にしたヒーローではなく、人間の姿をしたキャラクターでした。
岡山県立図書館のレファレンス記録では、やなせたかしと鈴木一義の編著『アンパンマン大研究』に掲載された年代記をもとに、初期の姿は丸い顔とおなかを持ち、髪の毛まで描かれた人間の姿だったと説明されています。
1973年の絵本ではパンの顔が定着し始める
1973年の絵本『あんぱんまん』では、主人公の顔が現在のアンパンマンに近いものになっています。 (あわせて読みたい:井上尚弥フルトン戦の結果は?8回1分14秒TKOの全貌と勝因を徹底解説)
ただし、体つきはまだ人間らしさが残っています。岡山県立図書館の資料では、最初の絵本に描かれたアンパンマンには5本の指があり、体の表現も現在のデザインとは異なっていたと紹介されています。
また、フレーベル館が公開している1973年10月号の表紙からも、現在のアニメ版とは異なる初期作品ならではの雰囲気を確認できます。
初期と現在の違いを整理
大きな違いは、単純に顔の形が変わったということだけではありません。人間の姿をした童話の主人公から、パンの顔を持つ絵本のヒーローへと変化し、子どもたちに親しまれるキャラクターとして表現が整理されていきました。
- 1969年:人間に近い姿。髪の毛や丸いおなかが特徴。
- 1973年:パンの顔が明確になり、現在のアンパンマンにつながる姿に近づく。手足や体つきには人間らしさが残る。
- 現在:丸い顔と親しみやすい表情を持つ、広く知られたキャラクターデザインとして定着。
フレーベル館も公式解説で、名前がひらがなからカタカナへ変化し、見た目も時代とともに少しずつ変わってきたことを説明しています。
興味深いのは、キャラクターの外見が変化しても、困っている人を助けるという根本の考え方は受け継がれていることです。初期デザインを見比べると、アンパンマンが長く愛されてきた理由は、見た目だけでは説明できないことが分かります。

【初期絵本の物語】顔を食べさせるヒーローに込められた意味
初期のアンパンマン絵本を現在の作品と比べたとき、最も印象的なのは物語の中心にある「自分の顔を分け与える」という行動です。
現代の子ども向け作品では、正義のヒーローが敵を倒したり、仲間と協力して問題を解決したりする場面がよく描かれます。しかし、1973年の『あんぱんまん』で強く描かれているのは、空腹で困っている人に自分の顔を食べさせるという行為です。
砂漠で飢えた旅人を助けるアンパンマン
フレーベル館の作品紹介によると、1973年の『あんぱんまん』では、おなかをすかせて困っている人の前にアンパンマンが飛んできて、自分の顔を食べさせます。
物語の舞台には砂漠が登場します。飢えに苦しむ旅人に顔を分け与え、その後、森で迷って空腹になった子どもも助けます。
アンパンマンは助けるたびに自分の顔を失っていきます。つまり、人を救うことは自分自身の力を失うことでもあるのです。
強さではなく、自己犠牲によって示される正義
この設定は、一般的なヒーロー像とは大きく異なります。
通常のヒーローは、敵よりも強い力を持ち、困っている人を守ります。しかし、初期のアンパンマンは自分の力を誇示するのではなく、自分の体の一部を差し出して相手の空腹を満たします。
やなせたかしの作品に通底するのは、正義を抽象的な言葉や立派な肩書きで語るのではなく、目の前で困っている人に必要なものを届けるという考え方です。
空腹の人に必要なのは、華やかな演説や勝利のポーズではありません。一切れの食べ物です。アンパンマンが自分の顔を差し出す設定には、そうした生活に根ざした正義の感覚が表れています。
1975年の作品から物語の世界が広がる
1975年の『それいけ!アンパンマン』では、物語の展開にも広がりが見られます。
フレーベル館の作品紹介によると、おなかをすかせた子ザルに顔を分け与えたり、かいじゅうに襲われたりする展開が描かれます。さらに、ジャムおじさんが新しい顔を焼くことでアンパンマンが再び元気になるという要素も登場します。
これは、1973年の原点となる作品から、アンパンマンを取り巻く世界が発展していく過程を知るうえで重要です。
後年のテレビアニメでは、仲間や敵との関係がさらに豊かに描かれますが、その中心には、困っている人を助けるという初期作品から続く原則があります。
【2023年復刻版】『やなせたかしのあんぱんまん1973』全6巻の内容
初期のアンパンマン絵本をまとめて読みたい人に注目してほしいのが、2023年4月にフレーベル館から刊行された『やなせたかしのあんぱんまん1973(全6巻)』です。
このセットは、絵本『あんぱんまん』誕生50周年を記念して、やなせたかしが描いた初期の作品を新しい装丁でまとめたものです。
全6巻の作品一覧
- 『あんぱんまんと ごりらまん』
子象のジャンボを助けたアンパンマンが、帰り道にごりらまんと遭遇する物語。誰かを助けた後、自分の力が弱くなるという初期作品らしい展開が見どころです。 - 『アンパンマンと ムシバラス』
泣いているカバくんを助けるために、アンパンマンだけでなくハミガキマンも活躍します。虫歯や歯磨きを題材にした作品です。 - 『あんぱんまん』
1973年10月号の「キンダーおはなしえほん」に掲載された原点の物語。飢えた人や迷子の子どもに自分の顔を分け与える姿が描かれます。 - 『それいけ!アンパンマン』
1975年に刊行された市販絵本。ジャムおじさんや新しい顔の誕生など、現在のアンパンマンにつながる要素が描かれます。 - 『あんぱんまんと ばいきんまん』
ばいきんまんが登場する作品。アンパンマンとの対立を通じて、物語の世界が広がっていきます。 - 『アンパンマンと もえるほし』
初期作品の世界をさらに広げる一冊。現在のテレビアニメとは異なる、やなせたかし自身の絵本表現を楽しめます。
6作品のタイトルと収録順は、フレーベル館の公式出版サイトに掲載されている情報に基づいています。
全6巻セットの基本情報
- 商品名:やなせたかしのあんぱんまん1973(全6巻)
- 出版社:フレーベル館
- 発行年月:2023年4月
- 作者:やなせたかし
- 巻数:全6巻
- ページ数:各巻32ページ
- ISBN:9784577051290
- 刊行時の定価:8,382円(税込)
各巻のサイズは縦270mm、横210mmです。全国学校図書館協議会選定図書にも選ばれており、子どもから大人まで楽しめる作品集として紹介されています。
「1973」というタイトルでも、すべて1973年の作品ではない
ここで注意したいのが、シリーズ名の「1973」です。
全6巻に収録された作品は、すべて1973年に初版が出たわけではありません。フレーベル館の沿革では、『あんぱんまんとごりらまん』は1978年、『あんぱんまんとばいきんまん』は1979年の刊行とされています。また、福井県教育博物館の展示資料では、『アンパンマンとムシバラス』『アンパンマンともえるほし』の初版年は1987年と記録されています。
したがって、「1973」は全作品の刊行年を示す数字ではなく、アンパンマン絵本の出発点を示すシリーズ名として理解するのが適切です。 (あわせて読みたい:【過去回一覧】2026年の歴代テーマから分かる番組の方向性)
この違いを理解しておくと、復刻版の価値も見えてきます。1973年の原点だけでなく、その後の初期作品がどのように広がっていったかを、6冊を通して比較できるからです。

【初版と復刻版の選び方】初期アンパンマン絵本はどれを読むべき?
初期のアンパンマン絵本を探している人にとって、悩みやすいのがオリジナルの古書を探すか、復刻版を購入するかという点です。
実際には、何を知りたいかによって選び方が変わります。作品の原点を知りたいのか、当時の本そのものを手元に置きたいのか、子どもと一緒に読むのかで、適した一冊は異なります。
初めて読むなら1973年の『あんぱんまん』
アンパンマンの誕生や初期の物語に興味があるなら、まずは『あんぱんまん』がおすすめです。
フレーベル館からは、2022年7月発行の新装版も刊行されています。32ページで、ISBNは9784577050255。顔を分け与えるアンパンマンの原点を一冊で読めるため、初めて初期作品に触れる人にも適しています。
歴史をまとめて知りたいなら全6巻セット
1973年の原点から、ばいきんまんやほかのキャラクターが登場する時代までを比較したい場合は、2023年の全6巻セットが向いています。
特に、テレビアニメで知っているキャラクターが、初期の絵本ではどのように描かれていたのかを見比べたい人にとって、まとまった資料になります。
当時の初版本を探すなら書誌情報を確認
1973年10月号の「キンダーおはなしえほん」や、1975年11月初版の『それいけ!アンパンマン』、1976年5月刊行の『あんぱんまん』を探す場合は、タイトルだけで判断しないことが大切です。
同じタイトルでも、新装版、増刷版、復刻版では出版年や装丁が異なります。古書を探す際は、次の項目を確認すると目的の本を見つけやすくなります。
- 初版年月日または初版年月
- 出版社がフレーベル館であること
- 書名のひらがな・カタカナ表記
- ISBNや旧書誌番号
- 表紙、奥付、ページ数
特に1973年の月刊絵本と1976年の市販版は、同じ作品を起点とするものの、出版形態が異なります。コレクション目的なら、表紙だけでなく奥付まで確認することをおすすめします。
初期作品をおすすめできる人・そうでない人
初期絵本がおすすめなのは、次のような人です。
- やなせたかしが考えたアンパンマンの原点を知りたい人
- 1969年の童話と1973年の絵本の違いに興味がある人
- 現在のアンパンマンとのデザインの変化を見たい人
- 子どもに昔の絵本ならではの物語を読んであげたい人
- 初版や復刻版をコレクションしたい人
一方、テレビアニメとまったく同じキャラクター設定や展開を期待する人には、初期絵本は少し印象が異なるかもしれません。初期作品には、現在のシリーズが完成する以前の、素朴で文学的な表現が残っています。
その違いを楽しめるかどうかが、初期絵本を選ぶ際の判断基準です。
【アンパンマンの初期絵本】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:アンパンマンの最初の絵本は何年に発売されましたか?
A1:子ども向け絵本としての初登場は1973年10月号の「キンダーおはなしえほん」に掲載された『あんぱんまん』です。ただし、最初の市販絵本は1975年11月刊行の『それいけ!アンパンマン』で、1973年の原点作品が市販化されたのは1976年5月です。
Q2:初代アンパンマンは人間だったというのは本当ですか?
A2:本当です。1969年に雑誌『PHP』で発表された童話のアンパンマンは、人間に近い姿で描かれていました。その後、1973年の子ども向け絵本ではパンの顔を持つ姿に近づきましたが、体つきや手の表現にはまだ人間らしさが残っていました。
Q3:『十二の真珠』と1973年の『あんぱんまん』は同じ作品ですか?
A3:別の作品です。『十二の真珠』に収録された「アンパンマン」は、1969年に雑誌『PHP』で連載された童話の一編です。単行本『十二の真珠』は1970年刊行。1973年の『あんぱんまん』は、その後に子ども向けに描かれた絵本作品です。
Q4:2023年の復刻版は何冊セットですか?
A4:フレーベル館から刊行された『やなせたかしのあんぱんまん1973(全6巻)』です。『あんぱんまん』『それいけ!アンパンマン』『あんぱんまんとばいきんまん』など6作品を収録しています。2023年4月刊行で、各巻32ページです。
Q5:初期絵本と現在のアンパンマンで一番大きな違いは何ですか?
A5:キャラクターの姿と物語の表現です。初期の童話では人間に近い姿をしており、1973年の絵本では現在に近いパンの顔が登場します。一方、体つきや手の描写はまだ人間らしく、物語も顔を分け与えて空腹の人を救う行為に重点が置かれています。
まとめ:アンパンマン初期絵本には現在につながる原点が詰まっている
アンパンマンの初期絵本の歴史を整理すると、1969年の童話「アンパンマン」、1970年の単行本『十二の真珠』、1973年10月の『あんぱんまん』、1975年の『それいけ!アンパンマン』、1976年の『あんぱんまん』市販化という流れになります。
特に押さえておきたいのは、1973年が子ども向け絵本の原点であり、1975年が最初の市販絵本、1976年が原点作品の市販化という違いです。
また、初期のアンパンマンは、現在のように完成されたキャラクターではありませんでした。1969年には人間に近い姿で登場し、1973年の絵本でパンの顔を持つヒーローとしての姿が明確になっていきました。
2023年の『やなせたかしのあんぱんまん1973(全6巻)』は、こうした初期作品をまとめて楽しめる貴重なシリーズです。最初の一冊を読むなら1973年の『あんぱんまん』、作品の変化まで知りたいなら全6巻セットという選び方がよいでしょう。
2025年にはフレーベル館が、同社刊行のアンパンマン絵本の累計発行部数が9,000万部を突破したと公表しています(アニメイラスト本を含む)。絵本から始まった物語が、世代を超えて読み継がれていることを示す数字です。
アンパンマンの魅力は、時代とともに変わった顔や姿だけではありません。おなかをすかせた人を助けるために、自分の顔を差し出すという原点の物語にあります。初期絵本を読むことは、現在のアンパンマンが大切にしている優しさと正義の出発点を知ることでもあるのです。
参考にした主な資料
- フレーベル館「アンパンマンとフレーベル館」「やなせたかしのあんぱんまん1973」
- 香美市立やなせたかし記念館「やなせたかしについて」
- 国立国会図書館サーチ『あんぱんまん』『十二の真珠』
- 岡山県立図書館レファレンス協同データベース
- 福井県教育博物館「やなせたかしが伝えたこと」展示資料一覧
これらの資料を照合することで、特に混同されやすい1969年・1973年・1975年・1976年の違いを整理しています。 (あわせて読みたい:【結論】久保田未夢の水着姿が見られる写真集はどれ?) (出典: アンパンマン 絵本 初期(Yahoo!ニュース))